腐ってます
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2主+シュウで数十年後捏造。
ほんとにくっそ駄文ですが…^о^
書類にサインしていた手を止め、執務室の窓から城下を見下ろす。街の人々の顔には笑顔が溢れ、街は活気付いている。人々は優しく、緑は多く、戦争は無い。なんというか、いい国だ。いや、いい国になった。それを全て自分の手柄だと言うほどおこがましくはないけれど、それなりに貢献はしたと思う。戦争が終わってからもずっと、この国とここに住む人々のことだけを考えてきた。もう、いいだろうか。
「何をぼんやりしている。手を動かせ」
鬼軍師、いや鬼宰相の叱責が飛んできた。思えば、自分は昔からこいつには叱られてばかりだ。
「ねえシュウ、僕ってあんまりいい主君じゃなかったよね」
そう言うとシュウは一瞬だけ虚を突かれたような顔をした。だがもう数十年の付き合い、何を言おうとしているかは伝わったらしい。シュウは軽く俯き、息を吐いた。シュウのすっかり白くなった髪がはらりと揺れる。
「何を今更。言うことは聞かないし敵には突っ込んで行くし、何度見捨ててやろうかと思ったかわからん」
「手厳しー」
「だが」
シュウが顔を上げてこちらを見る。ここ数十年で随分丸くなったとはいえ相変わらず仏頂面が多いシュウにしては珍しく、柔らかな微笑みを浮かべていた。
「私はあなたに仕えられたことを誇りに思う」
さあ、人が来ない内に行け。シュウに促され、出口に向かう。
「シュウが僕の軍師で良かった」
最初の頃はこんな口うるさい軍師いらねーって思ってたけど。そう言って悪戯っぽく笑うと、シュウもまた微笑んだ。
「お達者で」
「シュウもね。長生きしろよ」
軽く手を振って部屋を出る。振り返ることはしない。もう2度と会うことはないかもしれないと理解していたが、今更多くの言葉はいらなかった。
廊下の窓から外の木に飛び移り、そのまま城壁の外に出る。この手段は昔から頻繁に使用していたが、その都度猿かお前は、とシュウに怒鳴られたものだ。懐かしい記憶に暖かいものを感じつつ城下を歩く。美味しそうな食べ物に楽しそうな人々、この国はもう大丈夫だろう。これからの歴史は不老の化け物ではなく人々が作っていくべきだ。あらあなた、どこかで見たような気がするわねえ、どこから来たの。街の人々に話しかけられるがまさか城からと言うわけにもいかず、笑顔で誤魔化しながら先へと進む。本当に守りたかったものは守れなかったけれど、この国の人々が幸せでいてくれたら自分の戦いは無駄ではなかったと思える。だから、僕にとっての戦いはひとまずおしまい。さあこれからは自分のために生きてみようじゃないか。今日中に街を出るために早足で歩く。1度だけ振り返って、城に大きく手を振った。
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